コラム
なぜ、接骨院・整骨院では自由に健康保険が使えないの?
病院(保険医療機関)では医師が医師法にもとづき、診療・検査・診断のうえで、注射・投薬・手術等の治療を行います。一方、接骨院・整骨院では、柔道整復師が柔道整復師法にもとづき主に手技による施術を行います。
そのため、接骨院・整骨院で健康保険が適用できるのは、一部に限定されています。
- ※健康保険法第87条および厚生労働省保険局通達(平成30年5月24日付)による
病院や整体などとの違い
| 施術の種類 | 病院 (整形外科・外科・内科等) |
整体 (カイロプラクティクス・骨格矯正・もみほぐしなど) |
接骨院・整骨院 (柔道整復施術院) |
|---|---|---|---|
| 目的 | 医業 (治療) |
慰安行為・ リラクゼーション (施術) |
医業類似行為 (施術) |
| 国家資格の種類 | 医師 | 無資格 (民間資格) |
柔道整復師 |
| 適用法 | 医師法 | ー | 柔道整復師法 |
| 健康保険の適用 | 可 | 不可 | 一部可 |
健康保険でかかれる範囲
健康保険の適用となるのは、外傷性が明らかな以下の症例に限られます。
- ※内科的原因による疾患は含まれません。
- ※いずれの負傷も慢性的な状態に至っていないものに限られます。
-
骨折・脱臼
- ※応急手当の場合を除き医師の同意が必要です。
- 打撲・ねんざ・挫傷(肉離れ等)
健康保険が使えない場合(全額自己負担)
以下のような場合は健康保険扱いにならないため、施術費用は全額自己負担となります。
日常生活系
- 日常生活や加齢による単純な疲れ、肩こり、体調不良、原因不明の痛み
- スポーツによる筋肉疲労、筋肉痛、疲労回復のためのコンディショニング
病気系(内科的原因・慢性症状)
- 病気(神経痛、リウマチ、五十肩、関節痛、ヘルニア、痛風等)からくる痛み、しびれ、こり
- 過去の病気やけがによる後遺症等の慢性病
- 一度治癒したあとに自然に痛くなった、または原因が特定できない痛み
病院受診系
- 医療機関(外科/整形外科等)で治療・投薬等を受けながら、同時期に並行して接骨院・整骨院にかかる場合(レントゲン撮影など、検査のみの場合は可)
- 医師が内科的原因(外傷性ではない)による痛みと診断した場合
労災・交通事故系
- 仕事中や通勤途上で発生したけが(労災保険の適用)
- 交通事故および第三者行為等によるけが(健保組合に事前に傷病届を提出した場合は除く)
その他
- 症状の改善がみられない長期間の施術
- 骨折・脱臼で医師の同意を得ずに受けた施術(応急処置は除く)
- 複数の接骨院・整骨院を同時期に通院して受けた同じ負傷の施術
- 健保組合が関係法律・条例等にもとづき不適切と判断した場合
当組合は受領委任払いを選択しています
本来は償還払い(一旦施術費の全額を窓口で支払い、被保険者本人が健康保険組合への申請により保険給付分が払戻しされる仕組み)が原則です。ただし柔道整復師が地方厚生(支)局長と受領委任払いの協定を結んでいれば、医療機関と同じようにマイナ保険証等を提示することで一部負担金(2割~3割)にて施術を受けることができます。
受領委任払いの流れ
こんなことにご注意ください
負傷原因や負傷部位等、療養費支給申請書の記載事項に間違いがないか必ずご確認ください。
接骨院・整骨院で健康保険を使うときは、ここに注意!
いつ、どこで、何をしていたときに、どのように…など。
同時期に医師の治療・投薬等を受けながら並行して接骨院・整骨院にかかる場合は、保険適用になりません。
(重複した場合、健康保険は医師による診療が優先されます)
領収証の発行は2010年に義務化されています。
必ず領収証をもらいましょう。
接骨院・整骨院で健康保険を申請するための申請書にサインを求められます。
患者本人または被保険者が、負傷名・負傷部位・通院日数・金額等を必ず確認してからサインすることが大切です。
接骨院・整骨院ではレントゲン検査・血液検査、薬の処方などが行えないため、内科的な病気が隠れていた場合、発見が遅れて重症化してしまう可能性があります。
もし長期にわたって柔道整復術を受けても症状が改善しない場合は、病院で専門医の診察を受けましょう!
こんなことにご注意ください
- 接骨院・整骨院から健保組合への請求のなかには、「虚偽請求(※1)」、「部位ころがし(※2)」、「水増し請求・架空請求(※3)」などの不正請求も見受けられます。
- 厚労省などからも適正化が指摘され、健保組合としても審査の強化が求められています。
- 健保組合では医療費適正化のため、みなさんに施術内容などを照会する場合があります。ご理解・ご協力をお願いします。
- ※1:慢性症状や内科的原因の痛みを外傷性と偽り請求する行為。
- ※2:首の次は肩、肩の次は腰など、新たに別の部位が負傷したことにして、長期にわたり施術を続ける行為。
- ※3:施術日数や部位を実際より多く請求したり、行っていない施術について請求する行為。